5/17提出の要請書について、仙台市より回答

5月17日に提出した要請書について、仙台市からの正式回答(全文)を掲載します

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                                         平成23年6月16日

 「5年後10年後こどもたちが健やかに育つ会」仙台支部 様

                                       仙台市長 奥山 恵美子


 平成23年5月17日にいただきました要望について下記のとおり回答いたします。


                          記

1 仙台市における空気中の放射線量を区ごと測定し、仙台市のホームページに掲載していただきたい。このとき大人の被曝に参考にするために1.5メートル、子供向けに0.5メートルで測定していただきたい。また、ガイガーカウンターを幼稚園・保育所・小中学校に設置し、建物内の空気、園庭や校庭の放射能濃度の測定を行うように指導していただきたい。特に、砂場、校庭で運動するときに土煙などから被曝する量を示していただきたい。

 仙台市では6月8日より全ての市立学校や、保育所、幼稚園、児童館等の校庭や園庭において空間放射線モニタリングを実施しております。測定の高さは、保育所・小学校は0.5メートル、中学校・高等学校は1メートルで測定いたします。
 その後、その測定結果と地域的バランスを考慮して測定場所を選定したうえで、1週間に一度の頻度で継続的に測定を行うように計画しております。
 また、測定結果につきましては有識者の評価をいただいて、速やかに市ホームページ等にて公表してまいります。


2 各幼稚園・保育所・小中学校の給食に使用される食材の原産地を表記し、お知らせいただきたい。また、水道水にも注意が必要な場合は、各自飲み物を持参するよう指導していただきたい。

保育所について》
 保育所では、お子さん達への安全安心な食事の提供のために、日頃より食材の原産地を可能な範囲で確認して、ご希望される保護者の方にはすでにお知らせしている状況ですので個別に保育所にお問い合わせください。
 また、水道水については、水道局における測定結果により、水道水の安全性が確認されておりますが、不安を感じる保護者の方から、水筒持参の申し出があった場合には柔軟に対応するようにしています。
《学校について》
 小中学校の学校給食に使用される食品の産地については、できる限り情報提供を行って参りたいと考えております。本市では、各単独調理校や給食センターがそれぞれ献立を立てておりますので、産地については、各単独調理校、給食センターにお問い合わせください。
 また、水道水については、不安を感じる保護者の方から、水筒持参の申し出があった場合には柔軟に対応するよう、各学校に通知しております。
 なお、水道水について水道水中の放射性物質について注意が必要となった場合には、関係局と連携し対応してまいります。


3 給食と水道水の摂取について内部被曝を計算し、1時間あたりのマイクロシーベルトに換算し、公表していただきたい。 

 学校及び保育所給食にかかる内部被曝量の計算及び公表に関する要望について、これらを実施するためには給食用に購入した食品の放射能測定が前提になりますが、給食用食品は市場に流通しているものを使用しており、放射能測定において食品衛生法の暫定基準値を超えておらず、安全が確認されたものであること、また、出荷停止措置がとられた地域の食材は市場には流通しておりませんことから、給食用食品の放射能測定を実施することは検討しておりません。併せて、水道局における測定結果により、水道水の安全性が確認されていることから、水道水の内部被曝量の計算を実施することは検討しておりません。


4 遠足や校外学習に際し、放射能を測定し、安全な場所へ引率していただけるよう指導していただきたい。特に注意を要するときには課外活動などについての具体的な被曝量を公表していただきたい。また、風向きを考慮し、場合によっては、屋外授業を自粛または延期するように指導していただきたい。

 仙台市における空間放射線量の測定については、宮城県により県庁屋上及び東北電力本店ビル駐車場で実施し、また、東北大学により青葉区青葉山地区で毎日測定されております。なお、仙台市でも市立学校および保育所等において独自に空間放射線モニタリングを開始したところですが、測定結果によれば、健康に影響を与えるレベルではないと判断しております。遠足や校外学習、戸外遊び等につきましては、それらの測定結果も含め、今後の状況に応じて必要な対応を検討してまいります。


5 各過程における判断で、マスクの着用や弁当の持参を取り決めた場合、それを尊重していただきたい。

保育所について》
 現在、測定されている空間線量や水道水の測定結果から、本市の状況は懸念する必要はないものと考えておりますが、ご心配される保護者からマスクの着用や弁当持参について保育所に相談があった場合、食材の安全性、衛生管理等について保護者とよく話し合い、その上で保育所において可能な範囲で対応するようにしております。
《学校について》
 マスクの着用について、現在、測定されている空間線量の測定結果から、本市の状況は子供たちに影響がないものと考えておりますが、不安を感じる保護者の方からの申し出に対しては、柔軟に対応するよう、各学校あて通知しているところです。
 また給食時の弁当持参については、学校給食は食育の重症な教材としての意義をもち、教育活動として実施されていることや、仙台市としては安全な食材を用いた給食を提供していることから、給食停止措置及び弁当持参は原則として認めておりません。しかしながら、学校給食の意義や安全性についてご説明した上で、それでも不安であるという場合には給食停止措置はとれませんので給食費を収めていただくことにはなりますが、それをご了解の上で弁当を持参したいというご希望であれば、これをお断りすることはできないものと、その旨、各学校あてに通知しております。


6 水泳用プールについても放射線の測定を実施していただきたい。

保育所について》
 保育所のプールについては使用のたびに新たな水道水を入れており、プールに使用する水道水は、水道局における1週間に一度の測定結果により飲用としての安全性が確認されております。
 したがいまして、保育所におけるプールの使用については支障がないものと考えております。
《学校について》
 学校のプール水については、水泳の授業等の開始前にいくつかの学校を選定し、放射能測定を行い、安全を確認したうえで実施したいと考えております。なお、測定は1ヶ月に1回程度の頻度で継続していきたいと考えております。


7被害の大きかった場所の子供たちが、アスベスト放射線の被害にあわないよう確認を急いでいただきたい。 

 アスベストについては、今回の震災で建築物が被害を受けていることや、がれき等の撤去作業などが市内で行われていることから、作業に従事している方々や市民の皆様への健康影響を未然に防ぐことを目的に、仙台市では環境大気中のアスベスト濃度モニタリング計画を作り、3月下旬から調査を実施しております。
 市内中心部やがれきの搬入場をはじめ、市内各所において順次測定しているところですが、これまでの調査結果では、震災後も環境大気中のアスベスト濃度は平常値とほぼ変わりがなく、健康に影響を与えるレベルではありません。 
 今後、被害を受けた建築物の解体作業がますます増えていくことが予想されることから、モニタリング計画に基づき継続した調査を実施してまいります。
 調査結果については5月2日に記者発表をを行ったところですが、今後とも市のホームページにおいて随時調査結果を公表してまいります。
 また、放射線につきましては、前述のとおり取り組んでまいります。